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第2回ヒューマンライブラリー開催レポート Part 2

第2回ヒューマンライブラリの開催レポートPart 2です。(Part 1についてはコチラをどうぞ。)

★どんな様子だった?

前回のヒューマンライブラリーでは私は「本」役に回っていたため、今回初めて対話中の皆様の様子を俯瞰して見ることができました。

そこで最も印象に残ったのが、「本」も「読み手」もとても活き活きとした表情で話し、そして傾聴していたことでした。

その光景から、どの輪でも対話が繰り広げられているのが見て分かるほどでした。友人とワイワイお喋りするのとも違う、仕事の会議で目にするような堅い雰囲気とも違う、仲間内で語り合うのともまた違う様子です。お互いの肩書きや名前さえもよく知らない同士が、1つの「ステレオタイプ」について深く対話する凄みを目の当たりにした気がしました。うまく伝えようとする姿勢、相手のことを理解したり共感し合おうとする姿勢って、こういうことなのか・・・としみじみしてしまいました。

全3ラウンドを通して、この光景が消えることはありませんでした。30分が経ち、15分休憩に入っても各所で話は続いていて、次のラウンドが始まる直前まで話が続いている所もありました。

そんな風に、あっという間に約2時間半に渡る対話の時間が過ぎて行きました。

そして今回は最後にサプライズで「本」役を引き受けてくださった片岡亮太さん(本のタイトルは「盲目の和太鼓奏者」)が団扇太鼓の演奏を披露して下さいました。

団扇太鼓とは、文字通りうちわのような形をしています。その薄くて頼りなげな姿からは想像もつかないような迫力ある響き、そして心に染み入るような片岡さんのストレートな歌声に、対話中以上に真剣に聞き入る皆さんの表情が印象的でした。片岡さん、素晴らしい演奏をどうもありがとうございました!

片岡さんの普段の活動や演奏については是非コチラをご覧ください。

(余談ですが、この片岡さんのストーリーやご体験は、私の「帰国子女」体験とも重なる部分が多くあり、今回改めて「帰国子女」も「障害者」と共通するマイノリティとしての体験をしているんだと実感しました。またこの点については、別に書きたいと思います。)

最後に、参加者の皆様がご記入くださったアンケートの中から、コメントをいくつかご紹介させていただきます。

★参加者の声 <対話を通して、特にどのようなことが印象に残りましたか?>

・人にはそれぞれ語れる歴史や経験があって、オープンに語ることによって聞く人の偏見や思い込みを改めたり、逆に自分のことも深く考えるようになれるものだと思った。

・似たような経験、考え、逆に全く違う人が対話できるのはみんなにとって良い機会だと思いました。

・普段会わない「本」と出会えて良かった。率直に疑問をぶつけられる機会が与えられてありがたかった。

・一人一人の実体験をご本人の口から聞くことによって、より深く問題意識、または共感を得ることができた。

・私は他人が普段どんなことを考えて生活しているのかという話にはあまり関心を持っていなかったが、どの対話も大変興味深いものであった。

・このような場所があること自体が素晴らしいな、と思いました。

・より良い社会になることを確信しました。

これらのコメントを拝読し、今回のイベントで「対話」が成り立っていたのだなと改めて大変嬉しく思いました。このヒューマンライブラリー(そしてもっと言うとThird Culture Kidsのイベント自体)を開催するにあたって、一番気を遣っているつもりなのが「かわいそうな私たち」を演出したい訳ではない、という点だからです。

差別や偏見をなくそうとする動きは、下手すると「差別や偏見を受けているかわいそうな私(たち)」を強調する動きにもなり得ます。そのような「被害者の私」を演出したい訳でも、「他者に理解して受け入れてもらいたい」というメッセージを送りたい訳でもありません。

私たちが目指しているのは、対話をすることで「そんな世界の見え方があるんだ」と本も読み手も双方が感じたり、互いに異なる者同士が「なんだお互いに似てるじゃん!」と共通項を見出したりすることです。「本」も「読み手」も互いに新たな発見があるようなwin-winの関係を創り出すことができるのが、対話の持つ可能性ではないかと思います。

そして対話の面白いところは他者との対話が終わった後も、自分の中で「対話」が続いていくことだと感じます。私自身、今回の「本」の皆様と打ち合わせをしながら対話させて頂いたことで、各「本」のお話が私自身の見方や考え方をぐっと広げ、まだ私の中でグルグルしています。(イメージで例えるならば、パソコンがフリーズした時のアイコンのように・・・!)こちらについては、また整理しつつ次のブログ記事にしたいと思います。

最後に、ご参加頂いた「読み手」の皆様、「本」の皆様、Teachers College同窓会の皆様、本当にどうもありがとうございました。また是非次回お会いできたら嬉しいです。

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